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土曜日午後11時59分
「もう1社の買い手候補企業が買収提案価格を引き上げてきたんだ。そちら側にもし価格を引き上げる用意がなければ、もう1社の方と独占的交渉に入ろうと思う」

マンハッタンのミッドタウンにある弁護士事務所。47階の大きな会議室からはマンハッタンが一望できる。セントラルパーク、そして、ハドソン川をはさんでニュージャージーまで見える。街は土曜日の夜だ。オフィスの外はにぎやかにお酒を飲む人たちがたくさんいるはず。でも、その会議室は一瞬凍った。

「Let's call Tokyo」と当案件責任者の私の上司であるアメリカ人は言った。「おい、タカ、日本の社長に電話をする。お前、通訳しろ。確か社長はちょうど今の時間、記者会見の練習をしているはずだろ?すぐに電話して社長を捕まえて、事態の進退を伺おう」

私はある日本企業が米国企業を買収するプロジェクトを担当していた。ニューヨークオフィスで5人のチームを組み、私だけが日本人だった。足掛け半年に及ぶプロジェクト。買収価格を提示し、1次選考、2次選考と残り、今は最終ビッドの段階だった。私たちのクライアントの日本企業ともう1社の米国企業が最後まで競り合っていた。

状況としては私たちのクライアントが優勢だった。買収価格でも条件でもいい提示をしていた。そして時間は土曜日の真夜中。週明けの月曜日早朝には案件に合意し、世に向けて記者会見をする、そういう段取りだった。日本時間では日曜日午後1時。社長以下主要メンバーが記者会見の練習を行うことになっていた。

「社長、先方が買収価格を引き上げてきました。当方が価格を引き上げない場合は向こう2社で独占的交渉に入り、月曜には案件を合意し、発表してしまいます。どうしましょうか?」と私の上司は電話越しに東京と話し始めた。

東京サイドからは「事態は理解した。緊急ミーティングを行うので、待機しておいてくれ」という返事だった。この時は日曜日午前0時半過ぎだった。

私の上司がプロジェクトメンバーを集めた。

「買収の本契約書のつめはほとんど終わったか?」とリーダー弁護士に聞く。そして、「環境問題は?」「特許問題は?」「サービス移行期間合意内容は?」と矢継ぎ早に弁護士と確認して行く。弁護士団は「全部、オッケーだよ。明日にはサインできる状況だぜ」と答える。

「よし。あとは東京が買収価格を引き上げることができるかどうかだな」

30分後、東京から電話があった。「価格を引き上げる。先方に伝えてくれ」

さっそく私の上司は先方の担当投資銀行に電話をする。日曜日午前1時半。

「我々のクライアントは買収価格を引き上げることにした。これでこちらサイドとの独占交渉に入っていただきたい」

「その金額では足りない。もう1社のほうが条件が良い。もう一度東京と話してくれ」

予想外の返答に部屋のみんなは困惑した。

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最近M&Aのアドバイザーってどんな感じの仕事なんですか?と聞かれることがあったので、今後ブログでたまに解説がてら書いてみようと思います。

| ウォール街 | 01:56 | comments(2) | trackbacks(0) |
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コメント
凄いですね。別世界のようです
そして、ちょっとカッコイイ☆
| たかえ | 2004/07/13 2:14 PM |
いや、かなりカッコイイ☆☆
| こたん | 2004/07/13 3:56 PM |
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